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2002年9月 リーダー不在のオーディションの巻 |
前回公演「ジャングル事務」の精算を終え、さて次の公演に取り組もうというとき。 リーダーが倒れました。 原因は「過労」。脚本・演出・出演という重労働に、肉体も精神もついに音を上げたというわけです。
しかし、次回公演の劇場はとっくに押さえてしまった。しかもたった3か月後。今、公演をキャンセルしたら恐ろしい金額を借金することになる。それに既に次を楽しみにしているお客さんがたくさんいてくれるのに、今さら中止だなんて言いたくない。
リーダーを除くメンバー達で、真っ青になりながらも次回どうするかを協議しました。結論は「再演の二本立てでも何でも、とにかく公演を打とう」ということ。「開店花火はここで立ち止まってはいけない」というのがメンバー全員の共通した意見だったのです。
そこで私が、倒れたままではあるがどうにか連絡がつくようになったリーダーに電話しました。公演は決行したいからオーディションを始めたいと話したところ…
「ああ…いいけど。ゴホゴホッ。あ〜、ダメだ。今日も胃がおかしくて何も食べられなく…、ゴホゴホッ。ゴホゴホゴホッ。ちょ、ちょっとそっちで進めといて…。プツッ。プープープー」
………。とめどなく不安。この状態は二週間前から続いている。新作で行くか再演を考えるかなんて相談も持ちかけられる状況じゃない。
稽古に行くと、メンバーたちが心底心配した顔で「リーダー何だって?」と聞いてきます。
「う…うん、こっちに任せるって!」
嘘は言ってないもん。とにかく、私が今、予定を進めてしまわなければ、開店花火はここでばらけてしまうかも知れないもん。ああ、文字通り「涙日記」です。このときは本当につらかった!
しかも既に客演をお願いしていた人たちに「予定はどうなってるの?」と聞かれても答えようがなく、随分とご迷惑をおかけした方もありました。本当に申し訳なかった!
その上、大々的にオーディションと銘打ったくせに、客演さんとメンバーの人数を数えてみたら既にほぼ定員に達していて、新たに採用できた人数は結局ほんのわずかでした。せっかく開店花火の公演を見て面白いと思って受けに来てくれたのに、ご一緒出来ないという結果を伝えるのも、胸が痛む(むしろ胃が痛む)ことだったなぁ。良い人ばっかりだったし、本当に。
でもいつも開店花火のオーディション自体はとても楽しいものです。一度に来てもらうのはせいぜい3人くらいで、実際に開店花火のメンバーに混じって一緒に稽古する。ストレッチしたり、筋トレしたり。感情解放のための簡単なストップやスピーチをしたり。
オーディションを受けに来てくれた人たち、みんないい笑顔で帰ってくれていたから。楽しい思い出になってくれているといいなぁ。こんなこと気にするの変ですかね?
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| 2002年10月 メンバー全員腰を抜かしたタイトル決定の巻 |
一度に若干名しか呼べないため長期に渡ったオーディションもやっと終盤を迎えた頃、リーダーが稽古に姿を現しました。
拍手喝采。
これまでのリーダーの不在で、メンバーたちはそれぞれ不安を覚えたに違いないのに、そんな不満を一切口にせずにただただリーダーの復活を喜ぶ人たち。
ばかだなぁ。でもみんな揃ってこれだから、やっていけるんだなぁ。
リーダーはいつも通りの低くも高くもないテンションで席につき、自分がいない間の話し合いの内容などを確認しました。そして「これ言ったら、結局再演はなしで新作で行くってことになりそうで嫌なんだけど、とりあえず聞いてみてくれる?」と前置きし、「笑っていいとも」のタモリさんの真似をしながら言いました。
「じゃ次回公演のタイトル発表しまーす」
固唾を飲んで見守るメンバー達。
「俺が最近見た映画3つね。『ギャラクシークエスト』『スリーメン アンド リトルベビー』『GO』。で、この3つを合わせるから…」
リーダーはホワイトボートにさらさらとペンを走らせ、振り向いてその書いた文字を指し示しながら自信満々の笑顔で言い切ったのです。
「『ギャラクシーベビーはGO!!』」
そこで訪れた沈黙は、きっとご想像いただけると思います。
「また出たよ…。リーダー、どこまで本気なんだ…?」という沈黙が、稽古場全体を支配する中。つわもの市田が沈黙を破り、笑って言いました。
「俺、好きだな」
それをきっかけにメンバーたちは一斉に爆笑。気付くと次回公演は「ギャラクシーベビーはGO!!」で決定し、一同の関心はその内容に移っていました。
そして数秒後、「ギャラクシーベビーはGO!!」はそもそも「市田が宇宙人役だと面白いかも」という理由で生まれた発想であることを知り、「また俺キワモノ役かよ!!」と絶叫する市田氏がいたのでした。
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2002年11月 ウノとCMソングバトルの合宿の巻 |
書き始めたのが遅いんだから当然脚本の上がりも遅い。
稽古の度に、まるで週刊連載のように脚本をキャストに届けてどうにか脚本を進めていましたが、ついに合宿が来てしまいました。やはり「合宿までにここまでは仕上げよう」と目標にしていたところまで仕上がらなかった。というか、そういう目標を立てて達成したことって一度もないかもッ。
そんな脚本隊を見兼ねて、自宅を提供してくれたり稽古場に自分のPCとプリンタを運んでくれていたのは、今回からキャスト入りした浅田直美。皆から「おかん」と呼ばれるのが気に食わず、可愛く「飴ちゃん」と呼ばせるためにじわじわとその呼び名を浸透させようと草の根活動にいそしんでいる女性(ひどい紹介)。
その彼女が合宿にまでPCとプリンタを持って来てくれました。「ちょっとでも空き時間できたらこれで脚本やろう」とリーダー。悲愴な表情で頷く私。
さあ、すぐにでも始めるのだろうと思いきや。「じゃ、ドラえもんウノ持って来て」
「…ハイ!」
そこから案の定、開店花火の合宿恒例のウノ大会が始まりました。
しかも今回はあまりにキャストが多いため、一つのウノでは枚数が足りず、スーパースタッフ蜂須賀聖子の「ハリーポッターウノ」もブレンド。ルールも何もめちゃくちゃなゲームに一同盛り上がり、ゲームは2時間近くかかってようやく終了。
あ〜、楽しかった。さ、明日に備えて寝なくッちゃ。
朝起きると、脚本が進んでいた。
「昨日の夜、ユキオつかまえてやったんだよ」とリーダー。
ゴメンナサイ。反省しつつ朝ご飯を食べ、稽古。昼食食べてまた稽古。夕飯食べてお風呂。お風呂では男女それぞれに大騒ぎ。女風呂では浴槽に大の字でダイブした女性がいたとかいなかったとか。
お風呂から戻ると、当然布団が恋しい。布団に潜りつつ、CMソング大会が始まる。「♪住み慣れた〜我が家に〜花の香りをそ〜えて〜」「♪人生変えるほど〜よみがえる〜」様々なCMソングを熱唱する、今回初参加の徳元直子。そこへテレビ好きを自称してはばからない堀口大介と蜂須賀聖子が対抗。気付くと一同大合唱である。
あ〜、楽しかった。さ、明日に備えて寝なくッちゃ。
朝起きると、脚本が進んでいた。
そして9月の頃の私の闘いぶりさえも帳消しになるほど(そうよ思い出して!!)、「脚本をやろうとすると寝ている女」と評判をがた落ちにした私だった。合宿だけじゃなかったなぁ。この頃は、直美の家に泊まり込みでやるときも、脚本に取り組もうという頃にははしゃぎ終わって安らかな眠りについていた。ほんとゴメンナサイ。
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| 2002年12月 こんなの見たことない!進化するエンディングの巻 |
脚本が完成したのがいつだったかって?
そんな不粋な質問はなしにしよう!!
というわけで、本番です! どうにか本番が迎えられました!!
初日をどうにか乗り切り、お客さんの評判も上々。二日目の昼と夜の二回公演も乗り切り、調子が出て来ました。
そして迎えた、木曜夜の公演。いつも公演の撮影をお願いしているLittle Wolf Filmが、今回の公演のビデオの映像を撮影してくれる日です。
劇場に現れたリーダーは明らかにニヤニヤしていました。そして、相場隆幸というキャストを除いたマグロジェンヌ(作品を知らない人は分からない名前でごめんなさい。作品中に登場するバンドの名前です。ちなみに相場はボーカル役)のメンバーにこそこそと耳打ちしていました。
午後三時半、予定通り舞台上にキャストが集まり、音響さんや照明さんと本番前の最終チェックを行いました。
そこでリーダーが相場に一言。
「相場、みんなの分の弁当と飲み物買ってこいよ」
「え? 俺が?」
当然の疑問です。基本的に、公演中の買い出しはスタッフさんたちにお願いしていました。
「いいから行って来て。受付の子たちに何買えばいいのか聞いて。早く!」
首をひねりながら相場が劇場を出ていくのを見計らって、リーダーが言いました。
「じゃあ今から相場抜きでエンディングの練習しま〜す」
ここで、リーダーの企みが明らかにされました。
その企みとは。
今までは公演の最後の挨拶の時、マグロジェンヌは舞台奥の窓の外で地味に自分達の曲を演奏していました。しかもボーカルはテープで流れていました。
それを変更して、マグロジェンヌは舞台前面で思いきりライブを行うことにし、ボーカルはマイクを用意して生声で行くということにしたのです。ボーカル役の相場には予告なしで。
もちろんキャストもスタッフも大乗り気でした。照明のえみじはライブの照明を考えてノリノリ。音響のセニョールさんはもともとマグロジェンヌ大好きなので誰よりもノリノリ、マイクの用意も完璧。
相場を除いたキャストとスタッフ全員でめちゃめちゃ盛り上がって打ち合わせをし、本来使うはずだったニセのマイクと、騙して使わせることになる本物マイクをすり替える手順もばっちり確認。
そして本番。もちろん計画は大成功!! 何も知らない相場は、おろおろしながら舞台に進み出て、かすかに涙さえ浮かべながら歌いきったのでした。
相場の涙目を確認したい方は、公演会場にて『ギャラクシーベビーはGO!!』の公演ビデオを買い求めるべし! しかし事情を知らないお客様方には、立派に歌い切ったと見えたそうです。役者だね! …にしてもこんなエンディングって、見たことないですよね。 |
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